典礼コーナー

教区報に掲載されている典礼コーナーから転載しています。

「入信の秘跡の儀式」

教区報88号より


 「入門式」、「入信志願式」を経て入信志願者となり、「清めと照らし」の式によって入信への準備を終えた入信志願者は、復活徹夜祭の典礼の中で、洗礼・堅信・聖体(エウカリスチア)の秘跡を受けて、信者の仲間に入り、教会共同体の一員となります。
第二バチカン公会議前は、いろいろな機会に洗礼の秘跡が行われていましたが、成人の入信式が原則として復活徹夜祭に行われるようになったのは、すべての秘跡が救い主イエス・キリストの受難・死・復活という「過越の神秘」に基づいている、という刷新された大切な理解に根ざしています。それは聖霊の導きによって生まれた『典礼憲章』においても、また、その導きのもとに生まれた『カトリック儀式書 成人のキリスト教入信式』においても明らかです。
 教区典礼委員会が準備した『求道者とともに歩む信仰の道』には、「洗礼はキリストの死と復活にあずかることですから(ローマの信徒への手紙6:3~10)、この神秘は当然のこととして、教会がキリストの死と復活を荘厳に祝う徹夜祭に行われます」と記されています。
 「過越の聖なる三日間」の典礼は、あまりにも豊かなので、そのすべてに触れることはできないのですが、ここでは「入信の秘跡」が個人的な出来事ではなく、教会共同体すべてに関わる大切な出来事であることを意識しながら、その流れを追ってみたいと思います。
 「過越の聖なる三日間」は、一般的に、聖木曜日・聖金曜日・聖土曜日と言い習わされていますが、聖木曜日の「主の晩餐」と聖金曜日の「主の受難」はひとまとまりの典礼で、第一日目となります。第二日目は聖土曜日で、墓の中におられる主を静かに思う日です。復活祭の準備でバタバタしてしまいがちですが、少なくとも入信志願者は代父母と共に、静かに黙想のひと時を過せるといいと思います。第三日目は「復活の主日」で、「復活徹夜祭」と「日中のミサ」で祝われます。
 「入信の秘跡」の共同体性を考える上では、「復活徹夜祭」に先立って聖木曜日の午前中に、(横浜教区では、前日の聖水曜日に行われていますが)、司教司式のもと教区内の司祭団が共同で捧げる「聖香油のミサ」の中で、「司祭の約束の更新」が行われること、また、入信式が行われる「復活徹夜祭」のなかでは、信者の「洗礼の約束の更新」が行われることを意識することが大切だと思われます。
 典礼暦年のなかで、主の過越を共に生きている教会共同体の中で、入信を希望する人は「入門式」、「入信志願式」、「入信の秘跡」を経てキリスト信者となり、生涯、典礼的にも生活の上でも、主の過越の道を、共同体と共に歩み続けるのです。次回は、この歩みのもととなる「入信の秘跡直後の導き(ミスタゴギヤ)」について扱います。