典礼コーナー

教区報に掲載されている典礼コーナーから転載しています。

聖体授与の臨時の奉仕者(一)
教区報72号より

 キリストのからだのしるしであるパンとぶどう酒は、司祭の唱えるキリストのことばと、聖霊の働きによって聖別されます。信仰の糧である聖体を信徒に授与することは司祭の最も大切な務めのひとつです。しかし、現在の日本の教会では、聖体授与にあたって信徒が司祭と協力する必要が出てきました。
 従来は、「聖体」を授与する信徒を「聖体奉仕者」と呼んでいました。この度「聖体授与の臨時の奉仕者」と呼ぶことになりました。本来「聖体奉仕者」は、叙階された者を表しているからです。意味から考えると適切な呼び方になったと言えます。
 奉仕する機会は今までと変わりません。ミサに参加する会衆が多い場合、司祭が高齢・病弱等で授与が難しい場合、あるいは、両形態拝領でカリスをもつ人が必要である場合、また、聖体拝領を伴う「ミサのない主日の集会祭儀」などの場合に信徒が聖体を授与することができます。
 基本的には、成人の信徒は誰でも奉仕者になることができますが、とても大事な役割ですので、信仰面での養成が必要となります。その養成は主任司祭の責任と言えますが、横浜教区では一年おきに教区典礼委員会が養成の一助として研修会を行なっています。ただし、この研修会の受講は、奉仕者になるための必須条件ではありません。
 主任司祭は「聖体授与の臨時の奉仕者」の導入にあたり、この奉仕にふさわしい信徒を司教に推薦し、任命書の交付を願い出ます。通常の奉仕期間は三年で、重任も可能ですが、主任司祭が交代した場合は新しい主任司祭の推薦が必要となります。
 聖体授与は、司祭と奉仕者が一緒になって教会共同体作りに参与していることを目で見える形で表しています。この奉仕は一部の信徒の特権ではありません。ですから、特定の人だけがこの奉仕を独占してしまうことは望ましいことではありません。その意味からも任期制であることは適切だと言えます。
 なお、奉仕者の服装については、「奉仕にふさわしい服装を着用する」(教区版・集会祭儀の式次第より)と示されており、アルバを着用するとは定められていません。平服のままで胸に少し大きめの十字架を掛けるとかの工夫が考えられます。各教会でふさわしい服装を主任司祭とご相談ください。
 実際の奉仕にあたっては、「聖体」を示してはっきりと「キリストのからだ」と言って授与します。受ける方も、はっきりと「アーメン」と応えていただきます。この応唱は一つの信仰宣言と言える大切な受け応えです。互いに聞こえる声で応唱しましょう。
 聖体授与の際、洗礼を受けていない希望者に司祭が「祝福」を与えることがあります。これは「ミサ典礼書」には規定がありません。すべての人を招き、受け入れる主イエス・キリストの広い心を表す意味で「聖体授与の臨時の奉仕者」も祝福を与えることができます。教区報四十五号をご参照ください。なお、奉仕者が祝福を行う際の「ことば」は決まっていませんが、例えば「キリストの祝福」、「キリストの祝福がありますよう」という簡潔なことばが望まれます。なお、祝福にあたって、頭あるいは肩に軽く手を置きますが、その際、「聖体」をもつ指が髪の毛に触れないように注意します。
(教区典礼委員会)